マレーシア不動産の魅力、リスクと注意点
下記のグラフは、マレーシア政府発表の不動産価格推移をホー・チースーン(Ho Chin Soon)研究所が各州毎にグラフにまとめたものです。
1990年を100として、KLが2011年に335、21年間で3.35倍になっています。ペナンが277、21年間で2.77倍、ジョホールが179、21年間で1.79倍です。KLの上昇率が一番高く、次にサバ州、ペナン州、セランゴール州、最後がジョホール州になっています。
サバ州が高い理由として、オイルパーム農園経営で近年多くの金持ちが現地に誕生しているためです。ペナンも日本の皆様はリゾートの島と考えていると思いますが、実は半導体、PCの多国籍企業のひしめく工業地帯でもあり、現地の所得は高く金持ちが多いので有名です。
2011年時点では他の州に比べて、ジョホールの不動産価格の出遅れが目立ちます。ただし2012年以降はイスカンダール・マレーシア計画によるプロジェクトの影響で急速のジョホールの価格が上昇を始めています。
マレーシアの1990年の1人当たりGNPがUS$2,311で2011年の同GNPがUS$9,698ですので、同じ期間に所得は4.20倍になっています。不動産価格以上に所得が上昇している事になります。
今後はどうかと考えますと、現在のマレーシアの国家目標が所得倍増で、2011年の国内総生産(GDP)1人当たりUS$9,698を2020年にUS$16,000に上げようとしています。2013年時点では目標よりもやや速いペースで所得が増えています。
さらに人口面では、マレーシア全体で年率2.1%強で人口が増えていますので、10年間で20%以上人口が増える事になります。2010年時点の約2,900万人の人口が約3,500万人へ約600万人程増える事を意味します。
KL首都圏で考えますと人口が大体650万人と言われていますが、首都圏の人口増加率が年率3.1%程度ですので、毎年20万人程度、10年間で200万人程度人口が増え、2020年には900万人程度の都市になる予定です。
以上の経済、人口動態を考えると、マレーシアの不動産は当面は継続的に右肩上がりで上昇を続けると思われます。ただし地域的、物件のカテゴリー的には供給過剰な状況も出て来ており、今後は選択的に上昇するものとそうでない物件が出てくると思われます。