マレーシア基礎情報
マレーシア経済は、90年代にアジア経済危機(1998年)まで高度経済成を遂げ、その後は安定成長時代に入っています。
国内総生産(GDP、2012年)は、3,035億米ドル(約28.7兆円)を記録し、東南アジア諸国連合(ASEAN)では、インドネシア、タイに次ぐ3位。一人当たりGDP(2012年)でも10,304米ドルを記録し、シンガポール、ブルネイに次ぐ3位となっています。2020年には16,000米ドルを目指し、先進国入りを掲げています。
成長する経済につき物であるインフレ率も2008年の原油高騰期(5.4%)以外は、過去10年間0.6-3.6%の間で安定して推移しています。また、経済の堅調を示す指標として、失業率も過去10年間3.1-3.6%と低水準に抑えられています。
経済の好調さを示す最大の要因は、活発な貿易です。貿易収支は、2002年から2012年の10年間で543億リンギットの黒字から1,203億リンギットの黒字と2倍を越えるペースで増加しています。主要輸出品目は、電気製品や化学製品といった製造業による品目に加え、原油と天然ガス、パーム油といった資源の割合も多く、バランスの取れた構造となっています。
輸出先上位3カ国は、シンガポール(13.4%)、中国(12.6%)、日本(10.4%)、輸入先は日本(12.6%)、中国(12.6%)、シンガポール(11.4%)となっています。日本は、90年代から常にマレーシアの輸出入相手国として上位5位からはずれたことはなく、日本との結びつきが強いことが分かります。
金利も過去5年間以上、公定歩合2.0-3.5%で安定しています。日銀に当るバンク・ネガラ(Bank Negara)は、経済状況の分析と判断力には定評があり、公定歩合を適切なレベルで舵取りをしている印象が強いです。総裁であるゼティ女史は、その確実な手腕かさから日本のメディアでもインタビューに取り上げられたことがあります。
マレーシアのGDPと一人当たり名目GDP(米ドル)の推移