マレーシア不動産の魅力、リスクと注意点
マレーシアは中進国家から先進国家入りを目指す発展著しい国です。先進国家の目安とされる1人当り所得で米ドル15,000と言う数字の目前まで既に達しています。人口ピラミッドの所でも述べた通り、人口構造的にも20-30歳台が増えている段階です。
そう言う背景のマレーシアなので、不動産価格も以下2000年以降の価格指数(マンション価格)で示される通り、基本右肩上がりで上昇して来ています。青色の線が2000年を100としたクアラルンプールの不動産価格指数になります。2020年に約260(2.6倍)になった事を示しています。赤色の線は1人当りの所得になりますが、同じ期間に所得も約280(2.8倍)になった事になります。
尚、同じ期間の価格が一番上がったのはペナンになります。(約300で3倍)ペナンの不動産が値上がりする理由は、ペナン島が淡路島程度の小さな島でそこに約80万人の人口があり、経済的にも豊かである事によります。
ジョホールは2010年頃までは殆ど不動産価格が上昇しない市場でしたが、2012年以降急速に価格が上昇を始めています。これはマレーシア政府のイスカンダール計画で国内外の巨額の投資がジョホールに投下されて来た事、イスカンダール地区の人口増加率が高い、所得も高い事によります。
注目して頂きたい点は、価格動向の推移で、2011年から2017年に全国的に価格が大幅に上昇しています。弊社ではこの時期をマレーシア不動産のバブル時期と呼んでいます。事実この時期は現地銀行が不動産に対して大変積極的に融資をし、投資家を含めて沢山の現地人や外国人がマレーシア不動産を購入しました。
その結果マレーシア不動産価格が所得の上昇以上に早いスピードで上昇し、庶民の間で不満が高まりました。そこでマレーシア政府は2016年頃から不動産価格上昇を抑える政策を取って来ました。住宅ローンの引締め、譲渡益税の引上げ等が主の対応策で、それが2017年以降に功を奏し始め、18年、19年と横ばいか若干下落しています。そこに2020年にコロナ問題が発生し、更に下落するかと思われました。結果的に2020年は住宅金利も大幅に下がった事もあり、後半以降は不動産市場がやや回復し下落が下げ止まった形になっています。
マレーシア政府は2025年前に先進国家入りを目指し、IT、金融業、ハイテク製造業等の付加価値に高い産業育成に注力する政策を取り、国民の所得増加を図っています。確かに現地通貨(リンギ)ベースでは、毎年5%前後の所得増加が続いています。(米ドルベースでは通貨安もありほぼ2018年から横ばい状態)
コロナ禍が収束し、経済が回復すれに連れ所得もまた上昇軌道に乗っていくと思われ、それに連動して不動産価格も徐々に上昇を始めるのでは無いかと思われます。