社長コラム
2016年12月27日 15:47
【マレーシア経済の現状】まずは、マレーシア経済の現状から報告です。
マレーシアは石油、天然ガス、パーム油等を産出する資源国家で、2015年年央からの原油価格下落に伴い、石油関連産業が低迷期に入り、通貨(リンギ)も大幅に下落しています。円に対しては原油価格下落前の1リンギ33円前後の為替相場が、現在は1リンギ26円前後と2割程度下落しています。
但しマレーシア経済は石油関連産業(GDP比率で約1割)以外に、サービス関連産業がGDP比率で5割以上、製造業も2割以上と多角化しており、2016年の経済成長率は年率4%、2017年は4.5%は達成できる見込みです。マレーシア経済は決して不況といえるレベルでは無く、最近原油価格も底打ちし始めており、リンギも反転の兆しが見えています。今のリンギは実態経済を反映せず売り込まれすぎと言う感じがします。
【進む日系企業のマレーシア進出】日系企業の進出が続いています。
1) 製造業:1970年代から日本の繊維、電気・電子関連企業の多くがマレーシアに安い労働力を求めて進出しました。代表的な企業は東レ、松下、ソニー、日立、東芝、シャープ等になります。
2) 金融・損保:最近は、イスラム金融の優位性を武器に金融産業を育てようとするマレーシア政府の動きに呼応してか、日本の金融機関(都銀、保険会社)の進出、人員増が目立ちます。
3) 流通・小売業:現地の人口増加と所得増加に伴い小売流通業の進出が目覚しくなっています。イオン(ジャスコ)は既に30年以上前からマレーシアに進出し既に60店舗以上を全国展開しています。伊勢丹も同じく30年ほどの歴史があり、現在KLに4店舗展開し現地で高級デパートとして定着しています。また100円ショップのダイソー、ユニクロ、無印も至る所で見かける様になっています。最近では、ファミリーマートが日本的なコンビニをオープンさせ、現地で話題になっています。
4) 飲食:日本で御馴染みの吉野家、すき屋、丸亀うどん、一風堂が数多く出店しています。特にラーメンは現地でも人気で一風堂以外にも多くのラーメン店が進出しています。あと面白いのは、高級寿司店の斉藤(ミシュランの寿司部門No.1)、回転寿司などすし屋の進出です。
5) 不動産開発業:三井不動産、三菱地所、パナホーム、大和ハウス等)になります。若い人を中心に人口増加が続き、所得上昇が続いているマレーシア市場に目を付け、日本の不動産開発会社の進出も続いています。
【注目される三井不動産グループの展開】不動産関係の企業としては三井不動産の展開が現地で注目を集めています。2012年に現地の開発会社と合弁でKL都心に高級マンション開発を始め、2014年にはKL郊外に現地人向けのマンション開発、更に2015年にはKL国際空港近くに三井アウトレットモールを開業しました。アウトレットモールは予想を超える集客となっており、2017年には5割の増床工事を開始する事になっています。
更に都心の大規模再開発:ブキッビンタン シテイセンター(BBCC)に三井ららぽーとモールの進出も決定しています。ららぽーとモールとしては、日本以外では最大級の商業施設の投資(日本円で約200億円)になると報じられています。マレーシアの個人所得と人口の継続的増加を見込んだ三井不動産の動きと言えます。
弊社では「ららぽーとモール」隣接のコンドミニウム:ルセンテイアを居住用、投資用に適した物件として紹介しております。詳しくは此方もご覧下さい。
http://www.totalmalaysiafudosan.jp/property/?mode=b&id=293
【結論】日本人に取りどんどん現地の生活がし易くなってます!
至る所にイオン(ジャスコ)があり、殆どの日本食が容易に手に入り、日本食ファーストフード、百円ショップ、ユニクロもどんどんと増え、本当に日本と同じような生活が出来る状況になっています。
飛行機の便も増え、クアラルンプールと日本(羽田、成田、関空、札幌)は現在日本航空、全日空、マレーシア航空、エアーアジアXが沢山便を飛ばしています。競争が激しいせいか航空券も安い時は往復で3万円台からも可能になっています。
ロングステイ財団の住みたい国の投票で、マレーシアは遂に2006年から2015年まで10年連続で世界一の人気国になっています。日系企業の進出も続き、日本人が生活し易くなっているマレーシアは当面このNo.1の地位を維持しそうです。